株投資アプリで使われる用語説明【市況情報①】

証券アプリ単語説明

初めて投資をする方にとっては投資アプリを開いてもなかなか意味が理解出来なかったりして大事な情報を見逃してしまいます。このブログでは楽天証券アプリで使われている単語についてわかりやすく投資家としてどういう考えの元に見ていくのかを解説しています。

あつし
あつし

今回はアプリの中の【市況情報】と呼ばれている画面について説明するよ。

りょう
りょう

この画面の見方を覚える事でその銘柄の健康状態。すなわち投資する価値があるのかないのか判断が出来ます。

市況情報 画面

市況情報

市況情報とは、株式市場、債券市場、商品市場、通貨市場などの金融市場に関するデータや情報のことを指します。この情報には、価格の動き、取引量、市場のトレンド、経済指標などが含まれ、投資家が市場の現状を把握し、投資判断を行うために必要とされます。

出来高

出来高は、特定の期間に株式や他の金融商品が取引された総数を指します。これは株式市場での取引の活動度や流動性の一つの指標とされ、市場のセンチメントや価格動向を解析する際に重要な役割を果たします。

1.市場の活動度と流動性の指標:
• 出来高が高いということは、その商品に対する興味と取引が活発であることを示しており、市場の流動性が高いと考えられます。流動性が高い市場では、大きなオーダーをもたらすことなく、より簡単にポジションを開閉することができます。


2. 価格動向の確認:
• 出来高は価格の動きを裏付けるものとして用いられます。例えば、価格が上昇する際に出来高も増加していれば、その上昇トレンドはより強固なものとされ、逆に出来高が減少している場合は上昇トレンドが弱まっている可能性があります。

投資家が出来高から判断できること

1. トレンドの強度の評価:
価格の変動が大きい時に出来高も増加している場合、それは強い市場のコンセンサスを示しており、トレンドの持続可能性が高いことを意味します。逆に、価格変動に対して出来高がそれほど増加していない場合は、その動きが弱いトレンドであるか、一時的なものである可能性があります。


2. 逆張りポイントの特定:
• 価格がサポートやレジスタンスレベルに達した時に出来高が急激に増加すると、価格が反転する可能性があります。この現象は、その価格レベルでの売買が積極的に行われていることを示し、多くのトレーダーが利益確定や損切りを行っていることを意味します。


3. ブレイクアウトの確認:
• 価格が重要な抵抗レベルを突破する際に出来高が大きく増加すると、そのブレイクアウトは有効であると見なされます。これは市場参加者が新たな価格帯に積極的に参入している証拠とされ、トレンドの継続を期待させます。


4. 市場のサイクルの識別:
• 出来高のパターンを分析することで、市場のサイクルやセンチメントの変化を捉えることができます。例えば、出来高が一定期間にわたって減少している場合、市場の関心が低下している可能性があり、投資戦略の見直しが必要かもしれません。

時価総額

時価総額(Market Capitalization)は、企業の総市場価値を示す指標で、その企業の株式が現在どれだけの価値があるかを示します。時価総額は、株価をその企業が発行している株式の総数で乗じることで計算されます。

時価総額のカテゴリ

• ラージキャップ(大型株): 一般的に市場価値が100億ドル以上の企業。安定した収益を上げる傾向があり、経済的な変動に強いです。


• ミッドキャップ(中型株): 市場価値が20億ドルから100億ドル程度の企業。成長の潜在力は高いが、ラージキャップほどの安定感はない。


• スモールキャップ(小型株): 市場価値が20億ドル未満の企業。成長可能性が高いが、リスクも大きい。

投資家が時価総額を見て判断すること

1. リスクとリターンの評価:
• ラージキャップは安定しているため、リスクが低く、安定した配当が期待できますが、成長率は限定的かもしれません。一方、スモールキャップは高い成長潜在力を持つものの、経済的変動に弱く、より高リスクです。


2. ポートフォリオの多様化:
• 時価総額に基づき、異なるカテゴリの株を組み合わせることで、リスクを分散し、市場の異なるセグメントから利益を得ることができます。


3. 市場のトレンド分析:
• 大型株が市場で優勢な場合、市場は安定期にあると判断されることが多いです。逆に、小型株や中型株が活況を呈している場合は、投資家が高いリターンを求めてリスクを取っていることが示唆されます。


4. 経済状況への対応:
• 経済が成長している時は、成長潜在力の高いスモールキャップやミッドキャップに投資することで、大きなリターンを期待できるかもしれません。不況時には、より安定したラージキャップにシフトすることが安全かもしれません。

PER(株価収益率)

PER(株価収益率、Price-Earnings Ratio)は、企業の株価を一株あたりの利益(EPS、Earnings Per Share)で割ったものです。この指標は、投資家が株価がその企業の利益に対してどれくらい評価されているかを測定するために使用されます。

PERの計算方法

PER=株価/一株あたり利益​

ここで、EPSは通常、過去12ヶ月の純利益を株式の総数で割って計算されます。

PERの解釈

  • 低いPER: 一般的に、PERが低いということは、株価が利益に比べて低く評価されており、株が割安である可能性があります。しかし、これは企業が直面している問題や成長の欠如を反映している場合もあります。
  • 高いPER: 高いPERは、市場がその企業の将来の成長を期待していることを示していますが、過剰評価されているリスクもあります。

投資家がPERを見て判断すべきこと

  1. 比較分析:
    • 同じ業界やセクター内の他の企業とPERを比較することが重要です。業界平均と比べて異常に高いまたは低いPERは、その理由をさらに調査する必要があります。
  2. トレンド分析:
    • 企業のPERが時間とともにどのように変化しているかを分析します。PERが着実に上昇している場合、市場が企業の成長潜力を高く評価していることを示している可能性があります。
  3. 市場の状況との対比:
    • 市場全体やベンチマークとしての指数のPERと比較することで、全体の市場評価と個別の株価評価のバランスを理解できます。
  4. 成長率との関連性:
    • 企業の成長率(特に収益成長率)を考慮に入れた上でPERを評価します。高成長企業は通常、高いPERで取引されることが許容されますが、成長が鈍化している場合は再評価が必要です。
  5. リスク管理:
    • PERだけに依存することなく、他の財務指標や業界の動向、経済環境といった多角的な視点から投資判断を行うことが重要です。株価が利益に比べて高く評価され過ぎている場合、下落リスクに注意する必要があります。

投資家はPERを利用して企業の株価が利益に対して適切に評価されているかを判断し、投資の機会を見極めるための一つの手段としています。しかし、PERはその他の多くの要素と組み合わせて使用することで最も有効であり、単独での使用には限界があります。そのため、包括的な分析を行い、より確かな投資決定を下すことが求められます。

配当

配当は、企業がその利益の一部を株主に対して分配することを指します。配当は通常、現金で支払われますが、株式配当の形式を取ることもあります。配当を支払うことは、企業が安定した収益を上げており、株主に対して利益を還元する余裕があることを示しています。

配当の主要な形態

  1. 現金配当: 最も一般的な形式で、企業が利益の一部を現金で株主に直接支払います。
  2. 株式配当: 企業が追加の株式を株主に分配すること。これにより、株主は保有する株式数が増えますが、会社の総株式数も同時に増加するため、一株当たりの価値には影響が出ることがあります。

配当の重要性

配当は投資収益の重要な源泉であり、特に収益の安定性や予測可能性を重視する投資家にとって魅力的です。また、配当を通じて企業が株主に利益を還元する姿勢を示すことは、投資家との信頼関係を築く上で重要です。

投資家が配当を見て判断すべきこと

配当利回りの評価:

配当利回りは、年間の配当総額を現在の株価で割ったものです。高い配当利回りは投資の魅力を示す可能性がありますが、非常に高い利回りは持続可能でない配当、または株価が大幅に下落していることの警告信号である可能性もあります。

配当の持続可能性:

配当の支払いがその企業の利益やフリーキャッシュフローから容易に賄えるかどうかを確認することが重要です。持続不可能な配当政策は将来的に配当がカットされるリスクをはらんでいます。

配当成長率:

配当が時間とともに増加しているかどうかを見ることで、企業の利益成長の健全性と株主へのコミットメントを評価できます。成長している配当は、企業が良好な財務状態であり、将来的にも利益を生み出し続ける可能性が高いことを示唆しています。

総合的な投資評価:

配当だけでなく、企業の財務健全性、成長戦略、業界の位置づけなど、他の多くの要素と組み合わせて総合的に評価することが重要です。配当の高い企業が常に最良の投資先とは限りません。

売買代金

売買代金は、特定の期間(通常は一日)に株式市場で取引された株式の総金額を示します。この指標は市場の活動度や参加者の関心の高さを示すもので、大きな経済イベントやニュースの影響を反映することが多いです。

投資家は売買代金を用いて市場の流動性を評価します。通常、売買代金が高い市場は流動性が高く、大量の株を少ない価格変動で取引できることを意味します。また、売買代金の増加は新たなトレンドの開始を示す可能性があるため、これをトレーディング戦略のシグナルとして利用することができます。

VWAP (Volume Weighted Average Price)

VWAPはその日の取引で発生した総取引額を総出来高で割ったもので、一日の取引での平均的な価格を示します。この値は、フェアな価格を示す基準として使われ、特に短期トレーダーにとって有用です。

VWAPよりも低い価格で購入し、VWAPよりも高い価格で売却することを目指すトレーダーが多いです。VWAPを基準として取引することで、市場の平均的な価格より有利な取引を行うことが可能になります。また、VWAPをサポートやレジスタンスのレベルとして見ることもあります。

PBR (Price to Book Ratio)


PBR(Price to Book Ratio、株価純資産倍率)は、企業の株価がその企業の純資産(簿価)に対してどれくらいの評価で取引されているかを示す金融指標です。この比率は企業の株価を一株当たり純資産(Book Value per Share)で割ることによって計算されます。

PBRの計算方法

PBR=株価/一株当たり純資産(BVPS)​

ここで、一株当たり純資産(BVPS)は、企業の総純資産を発行済み株式総数で割ったものです。総純資産は、企業の総資産から総負債を差し引いた値です。

PBRの使い方

PBRは特に資産が事業の中心となる企業(例えば、製造業や不動産業)の評価に有効です。PBRにより、投資家は以下のような洞察を得ることができます:

  1. 割安性の評価:
    • PBRが1未満の場合、株価は純資産価値以下で取引されており、理論的には割安と見なされます。これは、市場が企業の資産価値を過小評価しているか、または何らかの問題(業績の悪化など)を抱えている可能性があることを示唆しています。
  2. 過剰評価の警告:
    • 逆にPBRが非常に高い場合(例えば、3以上)、株価が純資産価値を大きく上回っているため、株式が過剰評価されている可能性があります。これは、市場が将来の成長を強く期待しているか、あるいは過度の投機が行われている状況を反映していることがあります。
  3. 業界比較:
    • PBRは業界ごとに異なる傾向があるため、同じ業界内の他社と比較することが一般的です。業界平均を大きく下回るPBRは、株式が見過ごされている可能性を示唆する一方で、業界平均よりも高いPBRは、市場においてプレミアムが付いていることを示しています。

PBR 投資戦略への応用

  • リスクとリターンのバランス: PBRを用いて、株価が純資産に対して適正に評価されているかを分析し、リスクを取るべきかどうかを判断します。低PBRの銘柄はリスクが低い場合が多いが、将来的な成長の機会が限られる可能性もあります。
  • ポートフォリオの多様化: さまざまなPBRを持つ企業に投資することで、ポートフォリオ全体のリスクを分散し、異なる経済状況に対する耐性を高めることができます。

PBRは、企業の株価がその実質的な資産価値に見合っているかを評価するための重要なツールであり、割安な投資機会を見つけるための一助となります。ただし、他の財務指標や市場状況と併せて考慮することが、よりバランスの取れた投資判断に繋がります。

配当落日

配当落日は、配当を受け取る資格を持つ最後の日であり、この日の終わりに株を保有している投資家が配当を受け取る権利を有します。

配当落日を理解することは、特に配当収益を狙う投資家にとって重要です。配当落日の直後、株価は通常、配当額だけ下落するため、このタイミングでの投資戦略を調整する必要があります。

決算発表日

決算発表日は、企業が四半期または年次の財務成績を公表する日です。この情報は企業の健全性、成長の見通し、経営陣の見解を投資家に提供します。

決算発表を通じて、企業の業績が予想を上回ったり下回ったりしたかを確認し、その結果をもとに株価の将来の動向を予測します。良好な決算結果は株価を押し上げる可能性があり、逆もまた真です。

権利落日

権利落日は、新株予約権、ストックオプションなど、特定の権利を行使する資格がある最終日です。

権利落日の前に特定の権利(例えば、配当や新株予約権)を行使可能な株式を購入することで、それらの権利を利用することができます。ただし、権利行使による株価の動きも予測しておく必要があります。

あつし
あつし

市況情報はまだまだあるので数回に分けて載せていくよ

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