初めて投資をする方にとっては投資アプリを開いてもなかなか意味が理解出来なかったりして大事な情報を見逃してしまいます。このブログでは楽天証券アプリで使われている単語についてわかりやすく投資家としてどういう考えの元に見ていくのかを解説しています。
今回はアプリの中の【歩み値】と呼ばれている画面について説明するよ。
この画面の見方を覚える事で買うタイミングなのか売るタイミングなのか判断が出来るようになります。
Contents
歩み値 画面
歩み値(ティック値)
歩み値とは、株式市場において朝9時の前場の寄り付きから午後3時の後場の引けまでの取引の歴史を示す指標です。この指標を通じて、一日の取引でどのような価格変動があったのかを詳細に追跡することができます。具体的には、その日の取引で記録されたすべての価格変動を時系列で表示し、投資家が市場の動きをより深く理解するのに役立ちます。
歩み値の重要性と利用方法
市場の動向の把握
• 歩み値を見ることで、特定の銘柄がどのように取引されているか、その日にどのような価格で頻繁に取引が行われたかがわかります。これにより、市場のセンチメントや流動性のレベルを理解する手助けになります。
価格のサポートとレジスタンスの識別
• 一日の取引で形成された最低価格や最高価格は、将来の取引における重要なサポートレベルやレジスタンスレベルを示す場合があります。これらのレベルは、価格がこれらの点を突破するか反転するかを見極める上で重要です。
取引戦略の策定
• 歩み値を分析することで、市場のトレンドやパターンを特定し、それに基づいて効果的な取引戦略を立てることが可能です。たとえば、特定の時間帯に見られる価格の動きを利用して、最適なエントリーポイントやエグジットポイントを決定します。
リスク管理
• 歩み値を用いて、市場のボラティリティを把握し、それに応じたリスク管理戦略を展開することができます。価格の急激な変動が予想される場合には、より慎重なアプローチが求められるかもしれません。
歩み値は、一日の市場の活動を詳細に追跡し、その情報を基にした意思決定をサポートする重要なツールです。この指標を活用することで、投資家は市場の動きをより正確に捉え、それに基づいた戦略的な取引が行えるようになります。
歩み値分析のステップ
データの収集
• 最初に、対象とする銘柄の一日の歩み値データを収集します。これには、寄り付き価格、高値、安値、終値、そしてその日の全ての取引価格が含まれます。
価格の動向の観察
• 取引データを時系列に沿ってプロットしてグラフ化し、価格の推移を観察します。特に開場後の初動や終盤の動きに注目し、価格がどのように変動したかをチェックします。
ボリューム(取引量)の分析
•価格での取引量を見ることで、どの価格帯で多くの取引が行われたかを把握します。ボリュームが高い価格帯は市場のサポートやレジスタンスとして機能する可能性があります。
サポートとレジスタンスの特定
• 価格が何度も反発したり、抵抗に遭ったりする価格帯を見つけます。これらはサポートレベル(価格が下がりにくいレベル)やレジスタンスレベル(価格が上がりにくいレベル)として重要です。
トレンドの識別
• 価格の高値と安値の推移を追い、上昇トレンド、下降トレンド、またはレンジ相場(横ばいの動き)があるかを確認します。トレンドラインや移動平均などのテクニカル指標を利用してトレンドの強さを評価することもできます。
パターンの探索
• チャート上で繰り返されるパターン(例えば、ヘッドアンドショルダーズ、ダブルトップなど)を探し、それに基づいて将来の価格動向を予測します。
戦略の策定
• 分析結果を基に、買い時や売り時を判断します。サポートレベルで買い、レジスタンスレベルで売り、ストップロスとテイクプロフィットのオーダーを設定するなど、リスクを管理しながら利益を最大化する戦略を立てます。
時刻
歩み値の時刻とは、株式や他の金融商品の取引履歴において、特定の価格が記録された具体的な時間を指します。この時刻は、各取引が行われた正確な瞬間を示し、市場の動向を理解する上で重要な情報を提供します。
時刻の重要性
価格動向の追跡
歩み値の時刻は、価格がどのように変動しているか、そしてその変動がいつ起こったかを示します。これにより、市場の反応を特定のニュースやイベントと関連付けることが可能になります。
高頻度取引の分析:
特に高頻度取引(HFT)のように、秒単位またはそれ以下の時間枠で取引が行われる場合、歩み値の時刻は極めて重要です。これにより、極短期間の市場の変動を分析し、戦略を調整することができます。
市場の流動性の把握
取引が集中している時刻を特定することで、市場の流動性の高い時期や低い時期を理解するのに役立ちます。流動性が高い時間帯は、通常、より細かい価格変動とともに、より多くの取引機会があります。
経済指標発表時の市場反応の理解
経済データや企業の決算発表などの重要なイベントがあった際の市場の反応を、歩み値の時刻を通じて詳細に分析することができます。
歩み値の時刻の利用方法
チャート分析
多くのトレーディングプラットフォームや分析ツールでは、歩み値のデータをチャート上で時刻とともに表示し、ユーザーが簡単に価格の変動とその時刻を確認できるようにしています。これを利用して、特定の時間帯の価格パターンやトレンドを視覚的に捉えることが可能です。
取引戦略の調整
歩み値の時刻データを分析することで、特定の時間帯に有利な取引戦略を立てることができます。例えば、市場が開く直後や閉まる直前にボラティリティが高まる傾向がある場合、これを利用した取引戦略を採用することが考えられます。
リスク管理
歩み値の時刻を利用して、特定の時間帯に発生するリスクを評価し、適切なリスク管理策を講じることができます。特に重要なニュースが発表される時刻はリスクが高まる可能性があるため、そのような時刻を避けるか、あるいはリスクを管理するための措置を講じることが重要です。
出来高
歩み値の出来高とは、株式やその他の金融商品の取引履歴の中で、特定の価格点での取引量を指します。この情報は、その価格で取引された株式の総数または契約数を示し、市場の流動性や参加者の関心の度合いを反映します。
歩み値の出来高の重要性
市場の活動性の指標
• 出来高は市場の活動性を測る重要な指標です。出来高が高い場合、多くの参加者がその価格で取引に参加しており、市場の流動性が高いと見なされます。
価格変動の確認
• 出来高は価格変動を裏付ける役割を果たします。価格が上昇または下降する際に出来高も増加している場合、その価格変動には強い市場の支持があると考えられ、トレンドが持続する可能性が高いです。
サポートとレジスタンスレベル
• 特定の価格レベルでの高い出来高は、そのレベルが市場にとって重要な意味を持つことを示唆します。これは、サポートレベル(価格が下がりにくい点)やレジスタンスレベル(価格が上がりにくい点)として機能する可能性があります。
出来高の分析方法
出来高と価格の関係の分析
• 出来高と価格の動きを同時に分析することで、市場の強さや弱さを評価します。例えば、価格が上昇するときに出来高も増加していれば、それは強い上昇トレンドを示しています。
出来高のピークの特定
• 一日の取引で最も出来高が多かった時点を特定し、その時点での市場の行動やセンチメントを理解します。これは、その後の市場の動向を予測するのに役立ちます。
ボリュームプロファイルの利用
• ボリュームプロファイルは、特定の価格帯での累積出来高を視覚的に表示するツールです。このツールを利用することで、市場参加者が最も活発に取引した価格帯を確認でき、これがサポートやレジスタンスの領域として機能する可能性があります。
ボリュームプロファイルとは?
ボリュームプロファイルは、特定の期間内での取引量を価格レベル別に表示する分析ツールです。このツールは、価格の各レベルでどれだけの取引が行われたかを視覚的に示し、市場の構造や参加者の行動を理解するのに役立ちます。
ボリュームプロファイルの主要な要素
バリューエリア (Value Area)
バリューエリアとは、取引量が集中している価格範囲で、通常は全体の取引量の約70%を占めます。このエリアは市場参加者が価格を公正と見なしている領域であり、多くの取引が発生しています。
ポイント・オブ・コントロール (POC, Point of Control)
ポイント・オブ・コントロールは、その期間中で最も多くの取引が行われた価格レベルです。この価格は市場の参加者が最も合意を見たと考えられるレベルで、強いサポートまたはレジスタンスとして機能する可能性があります。
ハイ・ボリューム・ノード (High Volume Node, HVN)
HVNは、比較的高い取引量が確認される特定の価格帯を指します。これらのエリアは、価格がこのレベルに戻った際に反応を示す可能性が高いため、重要な注目点です。
ロー・ボリューム・ノード (Low Volume Node, LVN)
LVNは、非常に少ない取引しか行われていない価格帯です。市場参加者が価格を避けたり、迅速に通過したりしたことを示しており、これらのレベルはブレイクスルーや価格の急激な変動が発生しやすいポイントです。
約定
約定とは、買い手と売り手が特定の価格で取引に同意し、その取引が実際に成立することを意味します。この時、買い注文と売り注文が一致すると、その価格での約定が行われます。
約定の価格は、買い注文と売り注文が一致する点で決定されます。市場のオーダーブックには、様々な価格での買い注文と売り注文が掲載されており、最も価格が近い買い注文と売り注文がマッチすると約定が行われます。
約定が行われるたびに、その約定価格と約定数量、そして約定時刻が記録されます。これが歩み値データであり、投資家はこのデータを利用して市場の動向を分析します。
約定の重要性
市場の透明性
歩み値の約定データは、市場の透明性を高めるのに役立ちます。投資家はこの情報を通じて、市場での取引がどのように行われているか、どの価格帯で活発な取引が存在するかを把握できます。
トレード戦略の策定
約定データを分析することで、市場のサポートやレジスタンスレベルを特定したり、価格のブレイクアウトを確認することが可能です。また、取引のボリュームを基にした戦略も立てやすくなります。
市場センチメントの評価
大量の約定が特定の価格で行われることは、その価格レベルで市場参加者の意見が強く反映されていることを示しています。この情報は、市場センチメントの評価に非常に有効です。
歩み値の約定データは、市場の動きを詳細に理解し、その情報をもとにした戦略的な投資決定を行うための重要なツールです。これを活用することで、市場の現状をより深く理解し、投資の成功につなげることができます。
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